就活とは、自分の人生と向き合い、自分の将来を預ける企業を決定し、社会人としての一歩目を踏み出す大きなライフイベントです。
「絶対に失敗できない」「自分が必要とされるのか」という不安が渦巻く一方で、「社会人として活躍したい」「世の中に価値を生み出したい」といった希望の感情も自分の中に芽生え、不安と希望が複雑に入り混じるのが就活です。
近年までは売り手市場が続き、多くの選択肢の中からキャリアを選べましたがコロナの影響で就活市場は段々と厳しくなってきました。
さらに、就活生としても実際に働いた経験がない中で企業をどうやって選んだらいいかわからなかったり、特にやりたいことがないけどフリーターは困るので企業に就職しないといけなかったりと、そもそも企業の選び方がわからないという就活生も増えています。
膨大な企業の選択肢の中からどのようにして自分に合った企業を選べば良いのか。
この記事では、特に行きたい企業がない時に、効率的に志望企業を選ぶ方法についてお伝えしたいと思います。
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自分の意思なくテキトーに企業を選べば必ず失敗する
企業の選び方について説明する前に必ずお伝えしておきたいのが、就活で自分の意思なく企業を選んだ場合、必ず失敗するということです。
失敗というのは企業に受からない、という合否だけの結果においての意味合いだけでなく、自身の人生においてキャリア選びで失敗するということです。
私自身、起業して世の中にインパクトを与える仕事をしたいと考えていましたが、ビビって就職を選んでしまいましたがその結果、半年間後悔と自責の念に苦しむ羽目となりました。
詳しいお話は以下の記事で語っているので、社会人のリアルを知りたい方は是非読んでおいてください。
社会人として働き始めた頃、学生を卒業したての私は膨大な選択肢とその不確定の未来への可能性に自惚れ、挑戦無き日々を"流されて"生きてしまいました。 自分は他の人間と違うんだ、迎合しないんだと誓った意思はいつの間にか薄[…]
失敗の典型例としてよく挙げられる例が「皆がいいという企業を選ぶ」「就職偏差値が高い企業を選ぶ」「誰かに勧められた企業にいく」という他人依存の就活です。
入社後のギャップに悩まされ、すぐに退社していった友人を何人も見てきました。新卒で入社した企業を「やっぱり違う」と感じて辞めていってしまいます。
そして、彼らに共通していたのが、自身の意思なく就活している、ということでした。いや、意思を持っていると思っていてもかなりの割合で他人の評価軸で就活を進めているという表現が正しいかもしれません。
就活生の平均年齢が22-24歳、これからのキャリアは40年も続いていきます。そのキャリアの入り口として、就活で意思決定する訳ですから、あくまでもキャリアを選ぶのは自分でなければならないのです。
納得させられて選ぶ、のと自身で納得して選ぶのでは後々如実に差が出てくるものです。就活では自分の意思で納得して企業を選びましょう。
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就活で企業を効率的に絞る方法
では、就活では一体どのように企業を選んでいくのが良いのでしょうか?
最も効率がいい方法は消去法です。
ちなみにただ闇雲に消去法をしていく訳ではなく、就活用にカスタマイズされた消去法というイメージを持つと良いと思います。
やりたいことや自分の興味関心ががっちり決まっている就活生は自身の興味関心を元に企業を見ていけばそれほど志望企業の選択に困らないですが、行きたい企業が特にないときに、それでも企業を選ばなければいけないという状況は正直苦痛です。
さらに膨大な選択肢や、周囲から受けるプレッシャーがさらに自身を焦らせます。
そんな時に企業を効率的かつ、自身の意思で効率的に絞ることができるのが消去法なのです。
消去法を薦める理由
なぜ企業を効率的に絞るために消去法が良いのか、という質問には2つ理由があります。
合理的な意思決定が可能
1つ目は消去法を用いると、合理的な意思決定が可能になるという点が大きいです。
たくさんの選択肢を用意されるとあたかも自分は自由であるかのようにあるかのように錯覚しますが、実は不自由に陥ってしまっているということを多くの人は気づいていません。
そのため、いつまでたっても選択肢を絞らず(ないしは適当な方法で絞って)現実を直視しないまま就活を続けます。
もし仮にあなたが金融業界の営業マンにしかなれない、と言われたらどうでしょう?
確かに選択肢は少ないですが、やること(対策)は明瞭なので下手に他の選択肢に目移りすることなく1点集中が可能です。
消去法を用いることで合理的に選択肢を減らすことができ、絞られた選択肢の中から企業を選ぶというのが特に行きたい企業がない時にとる戦略です。
効率的に選択肢を減らすことが可能
消去法を用いることで合理的な選択が可能になるということは、明確な理由を持って他の選択肢を論理的に削ることができるようになります。
その結果、これまでのようにお化けのごとく選択肢が復活することはなく絞った選択肢の中で企業を選ぶことができるようになるので効率性を追求できます。
1万社の中から企業を選べと言われるのと、100社の中から企業を選べと言われるのでは難易度が全く異なります。
消去法で合理的かつ、効率的に素早く志望企業を絞り込み次の分析に時間を当てる方がはるかに効率的です。
消去法の具体的な実践方法
では、就活で企業を選ぶ際の消去法の具体的な実践方法についてご紹介していきます。
この方法は本当に自分で企業を選ぶことができない就活生に相談を受けた時にご紹介している最終手段です。自分なりにアレンジして都合の良い部分だけ抜き取って活用してみてください。
自分の軸を用意する
自分の軸がある程度なければ消去法を行う際に選ぶ基準がなくなってしまいます。
消去法で企業をバッサバサと絞っていく前にまずは自分の就活の軸をざっくりとでいいので確認してみましょう。本当にざっくりでいいです。
「親がいい会社だと褒めてくれそうなところ」
「30歳で年収が600万」
「飛び込み営業はやだな」
「残業は少しならOK、残業代がしっかりでるところがいい」
こんなレベルでいいです。紙に書き殴ってみましょう。丁寧にワードとかにまとめる意味は皆無なので自分の希望をザート書き出してみましょう。
ここでのコツは「考えすぎないこと」です。
就職して働いたことがないのに、あれこれ考えてもいい考えが浮かぶはずがありません。ゴールはあくまでも企業を絞り込むことなので、ここで自分の軸を綺麗にまとめることは手段に過ぎません。
ざっくり考えてみると、意外とたくさん出てくると思います。
「残業代が払われる」「基本給が固定で出る」「転勤がない」と行った基本的な内容でも問題ありません。
業界一覧を知り、業界を決定する
自分の軸を決定できれば、次にいよいよ業界について見ていきます。
自分の軸が決まれば企業一覧を見てしまいがちですが、消去法で効率的に企業を選ぶためには業界から絞っていきましょう。
業界を見てみると、「金融」「広告」「IT」「美容」など幅広く多岐に渡っていることがわかります。
業界の中から2、3業界にまで絞っていきます。それ以上の業界を残すと後々の絞り込みがきつくなりますので、この時点である程度絞り込んでおきたいですね。
絞り込み方は消去法で絞っていきます。「金融」は興味がないな、「美容」も自分に合わないな、「広告」はなんかいいな、保留しよう、、こんな感じで進めていきます。
その際、絶対に行きたくない業界は斜線を入れて消去し、各業界を1点-3点でランキング付けしていくと効率的です。
残った3点のついた業界をとりあえず第一志望の業界とします。
業界構造を分解して俯瞰する
業界について絞ることができれば、選んだ業界の業界構造を分解して見ましょう。
例えば、広告業界1つとっても総合代理店(テレビ広告などを扱う広告代理店)、専業代理店(WEB広告などをメインに扱う代理店)、ベンダー(広告分析ツールや、配信システムを提供する中間業者)など、いろんなポジショニングのプレイヤーが存在します。
業界内にそのようなプレイヤーがいるのかをしっかりと調べた上で、消去法を実行して行きましょう。
選んだ業界の今後の展望を知る
業界を絞り、業界に存在するプレイヤーについて知ることができました。
ここで職種選びに入っても良いのですが、選んだ業界の今後の展望についてはしっておきたいところです。選んだ業界は今伸びているのか、それとも下げトレンドなのか。
業界内のプレイヤーの数は今後も増え続けるのか、それとも業界内の競争が激化して数が減少するのか。
自分が今後40年携わるかもしれない業界の未来について少しだけでも良いので知っておきたいところです。
いずれにせよ、面接の時に志望業界の展望については知っておかなければ話すことができないので、早めに知識をつけておくことをオススメします。
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自分の意思なく企業を選べば必ず失敗する
職種を知る
業界を絞り、業界においてどのような会社が存在するのかが分かればどのような仕事があるのか見て行きましょう。
金融業界の銀行であれば、「個人営業」「法人営業」「アクチュアリー」「プライベートバンキング」など、色々な職種があります。
この仕事はできそう、この仕事は向いてないなというようなイメージでもいいので消去法で職種を絞って行きましょう。
働いたことのない就活生にとって職種のイメージはつきにくいものです。企業主催に説明会などに行って業務内容を質問したり、OB訪問などに行って直接仕事内容を聞くのが良いでしょう。
選んだ職種で得られるスキルの汎用性を知る
職種を選ぶ際に落としたくない視点が「その職種について得られるスキル」です。
営業という職種を選んだとして、その職種ではどう行ったスキルが身につき、今後のキャリアでどのように活かせるかということまでしっかりと考える必要があります。
自分に向いてそうだから選んだ、というのも問題はないのですがその職種を選ぶことで将来の自分の活躍の幅が広がるのかどうかまで思慮が及んでいると、自身のキャリアプランの幅も広がるのでなお良いです。
企業のフェーズについて知る
業界、職種を選ぶことができればここで企業の「フェーズ」について考えて行きましょう。
スタートアップ、ベンチャー企業/中小企業、大企業などの会社の規模や成長度合いをベースに企業を分類し、自分に合ったフェーズについて考えます。
スタートアップ
企業の社員が数名のフェーズ。1人1人の裁量権が大きく色んな仕事を経験できるが、激務であることが多いです。よほど理念に共感できる、ないしは圧倒的な独自スキルを身に付けたいという方以外はオススメしません。
ハイリスクハイリターンと言えるフェーズです。
ベンチャー企業/中小企業
社員数が30人から200名程度の企業フェーズです。この中でもさらに成長期/安定期/成熟期と行ったフェーズにそれぞれ分けられます。
成長期であれば、会社の拡大期なので裁量権を持って仕事をすることができますが、スキルや責任感が求められます。安定期や成熟期はルーティーン的な作業を淡々とこなす仕事内容が多いフェーズになります。
大企業ほどの安定はいらないけれど、そこそこの安定を得られながら経験を積みたい就活生には良いフェーズだと言えます。
大企業
世間に名を轟かせる社員数が300人以上いるような企業のフェーズです。仕事も細かく細分化され、システムが非常に行き届いたような企業体制になっていることが多いです。
そのため、安定的なキャリアを求める就活生、ないしは世間的な体裁を求める学生であればこのフェーズがとてもマッチするでしょう。
企業を選ぶ
お疲れ様でした。ここまでくればあとは企業を選ぶだけです。
消去法で業界/職種を絞りこみ、業界の展望や職種で得られるスキルについて知識をつけ、企業のフェーズまで絞りこめば自ずと企業も絞られてきます。
数千社ある中からかなり具体的に企業を絞り込むことができたのではないでしょうか?
それでもどうしても行きたい企業が見つからない。そんなあなたは、JobSpring(ジョブスプリング)で適性のある大手・優良企業を紹介してもらいましょう。就活のプロに自分の将来や興味関心を話すことで、あなたが向いている業界や仕事がわかります。
最後に
やや強引とも取れる企業の絞り込みの方法ですが、この方法を使えば必ず志望企業を絞り込むことができます。
最後に絶対に伝えたいことは就活での企業選びは絶対に自分の意思で行おう、ということです。
私自身新卒で入社した企業にギャップを感じ半年も経たずに辞めてしまいました。今自分で会社をやっていますが、初めからこうしていればと後悔する自分もいます。
文系社会人がエンジニアに転身して2ヶ月で月60万稼いだ話でも語っていますが、私は自分のスキルを身に付けて働いた分だけ稼げる「エンジニア」や自身で人をマネジメントし成果を出す「経営者」という職種が向いていました。
それに気づくまでに半年という時間を費やしてしまったのです。
- 企業の選択肢が多すぎて絞り込めずにとにかく言われるがままエントリーをしている
- 企業の選び方分からずまだ就活で何も行動を起こせていない
- 適当に受けまくる現状は良くないなと感じ始めている
この記事がそんな就活生の一助となれば本望です。
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