創業3期目の終わりが見えてきたけれども、まだまだ若輩経営者のなべわかしです。
2020年はコロナやらなんやらと慌ただしい年になりましたが、本年の経営で学んだことをアウトプットしておこうと思い筆を執ります。
思いついたことの書きなぐりなので、駄文拙文ご容赦ください。
今回のテーマはスタートアップが生き残るためにどういう心構えで頑張ればいいのかや、事業戦略を考える上で気をつけたほうがいいポイントなどをシェアする記事になってますのでよければどうぞ。
スタートアップは試行錯誤の連続、心が折れたら負け
この記事を読まれている方は少なからず起業に興味のある方だと思いますが、正直会社が生き残るために大事なことは「心が折れないこと」これに尽きます。
お金がなくなろうが、誰かに裏切られようが、大炎上してもボコボコに批判されようが、心さえ折れなければ会社は何とかなります。
心は人の原動力だからと鬼滅の炭治郎君も言ってましたが、会社の心は社長なわけで社長が折れたらその瞬間会社は終わります。
私自身何度もへこたれそうになったり、逃げ出したくなったりするシーンがたくさんありましたが素晴らしい仲間たちの支えと少しばかりアルコールの力を借りて何とかまだ勝負させてもらってます。
心が折れないためにはメンタルポイントを意識する
さて、心折れないように頑張ろう!だけだとなんのTipsにもならないので少しばかりここで普段心がけていることを記しておきます。
まず前提として私たちのメンタルにも体力があり、体力がHPだとするとメンタルにはMP(メンタルポイント)があると考えています。
メンタルポイントは主に以下のようなケースに少しづつ消費されて、0になるとメンタルが落ちます。落ちると1日使い物にならなくなります。
- 何かを意思決定する時
- ジャンルをまたいだマルチタスクをする時
- 予測不能な事態が発生した時
- 人間関係のいざこざ
それぞれ見ていきます。
何かを意思決定する時
人が何かを決めるときというのは実は結構メンタルに負荷がかかっています。
この施策を継続するべきか、このお客さんに提案を再度差し込むべきかなど何気ない1日の中でも数千以上の意思決定が存在するはずです。
なので、意思決定する基準みたいなのを作っておき、なるべく意思決定を避ける/簡単にするというのがおすすめです。
ジャンルをまたいだマルチタスクをする時
スタートアップはひとりひとりが自身の役職を越えた複数のタスクをこなすことがとても多いです。
単純作業をした後に、提案資料などを作成し、打ち合わせをして、事務作業に戻ってくる。などとジャンルが全く違う作業を横断するのは脳みそもつかれてメンタルを食います。
なので、ある程度曜日ごとにタスクをジャンル分けして1日にマルチタスクにならないように整理してこなすのが良いです。
人間関係のいざこざ
人間関係のいざこざは各所で発生します。
自分の会社に関わる人、お客さま、友人、とにかく人が生活する以上何かしらいざこざが発生するのは仕方のないことです。
なので、
- 理不尽
- 不義理
- 非常識
これを侵さない、あるいは侵されないようにというのがボーダーラインです。ここを害すような関係性になってしまったものはすぐに断ち切ります。何年来の付き合いとか関係ないです、一回モヤッとしたらスパッと断ち切ります。
尊敬する大社長から教わった金言です。
予測不能な事態が発生した時
自分の全く想定外のところから不測の事態が発生することも多々あります。
こればっかりは避けようがないので、上述の3つを実践してなるべく毎日メンタルポイントをへらさないように余裕を持って生きるのが吉です。
ここからは若干余談ですが、疲労蓄積するとどんだけメンタル強い人でもポキっと折れるんだよということを示してる図です。
自分はメンタル強いほうだ、と思っていても人は折れる時はいとも簡単に折れてしまいます。
引用:https://dot.asahi.com/dot/2016020500193.html
身体の健康はメンタルの健康、健全な肉体に健全な魂は宿る
色々古来より言われてますが体を健康に保って、メンタルポイントも削らないように頑張りましょう。
尊敬するキュービック世一社長のメンタル維持法も勉強になったので、是非ご参考に。
https://twitter.com/41hide/status/1336534489518858242?s=20
ここまでは心構えのような話がメインでしたが、次章からは事業構造や戦略みたいな部分の話をします。
私の学びなのでえらいピンポイントな話ですが、参考になれば嬉しいです。
toC向けサービスの成功は運が大部分
ビジネスターゲットはtoC(対個人)toB(対法人)と大別されますが、1年半ほどtoCサービスを運営した私個人の所感をお伝えさせて頂くとtoCビジネスの成功には運要素が本当に大きいです。
昨今で言えば、コロナ拡大、災害、法律の変更など外的要因変化で認知度が広まったりして爆発的に伸びるのがtoCサービスです。
コロナで一気に市民権を得たライブ配信やオンライン配信サービス、大地震の安否確認で一気に普及したLINEなど何かしら大きな要因ありきで成長を果たすことができます。
日頃からサービスを磨き込んでおく、大きなアクセスに耐えられるサーバー設計になっている、カスタマー対応の体制が整っているなど、しかるべき仕込みは当然行った上で大きな勝機を待つのがtoCサービスだと思います。
弊社はまさにコロナで一気にサービスが拡大した企業の1つですが、正直運が良かったなと感じています。
資金に相当余裕がある時はtoCサービスを仕込んで波を待つというのは良いですが、
- リテラシーがバラバラなユーザーへの24時間対応
- こまめなUI/UX改善
- 予期せぬ炎上リスク
など管理コストが高い割にLTV低いな?という理不尽な時期が一定続くので、toB提案も混ぜ込めるような内容にしておかないと普通に爆死します。
属人性の高いビジネスはリスク極大
昨今YouTuber事務所や芸能事務所などで個人独立が相次ぎ、内部体制が揺らぐ事例をよく目にします。
私のまわりでも事務所事業、いわゆる個人をプロデュースするような事業を営んでいる企業は複数あるのですが正直なところほぼ斜陽です。
昨今、個人でも最初のノウハウさえ知ってしまえば、SNSなどを通じて自身をPRして稼げるようになってしまいました。
そのため、その個人が伸びれば伸びるほど事務所の介在価値はなくなっていきます。
昔であれば事務所を介してしか仕事を獲得できないため事務所の提供価値は希少でしたが、ここのパワーバランスが逆転するような事態になっています。
ですので特定個人依存、つまり属人性の高いビジネスはその個人の去就に成功を左右されかねないのでリスクが高く、少資本のスタートアップは絶対に手を出すべきではないビジネスだと思います。
事務所だけを例に上げてきましたが、ここで伝えたいことは「誰がやっても一定の成果が出せる仕組みを作れる」属人性の低いビジネスを構築することがスタートアップが生き残る上で重要だと感じます。
フロービジネスよりもストックビジネス
この1年で一番大きな学びというか教訓になったのは「資産が積み上がらないビジネスは絶対にやるべきではない」ということです。
ビジネス書ではフロービジネス、ストックビジネスなどと表現されますが、スタートアップはストックビジネス(資産性が積み上がるビジネス)で勝負しないと一瞬で消し飛んでしまいます。
フロービジネスをやっていると永遠に自転車操業で、将来を読めないPLとにらめっこし漠然とした不安に襲われる羽目になります。
資産が積み上がるストックビジネスになっているか一度自分の事業を見つめ直してみましょう。
ちなみにここで言う資産は、売上はもちろんですが
- 月間継続売上(サブスクモデル)
- 企業としての実績・事例
- WEBサイトのドメインパワー、アクセス
- SNSのフォロワー、影響力
など、いずれ仕事やお金につながる資産が積み上がっているかどうかが鍵になります。
資産さえあれば切り口を変えて次の挑戦やピボットもしやすくなります。積み上げましょう。
とにかく隣の芝は青く見えるけど、みんな何かしら辛い
自分の事業をみてるとその領域に超詳しくなるので、それはそれで素晴らしいことなのですが同時に辛いこともたくさん出てきます。
そんなときにキラキラ資金調達をして伸びている会社や、やたらとSNS上で羽振りの良さそうな経営者をみるとその人達がやっている事業は「青い芝」に見えてきます。
自分たちも同じことをやれば儲かるのでは…?
と、とにかく心がブレるシーンが結構あります、はい。
でも実際のところ上手く言ってそうな会社も蓋を開けてみると色々地獄と向き合っていたり、上手くいってる感を出してるけど四苦八苦してたり割とはちゃめちゃです。
なので、スタートアップの方は飲み会や交流会、SNSでついつい他事業に浮気しそうになるかもしれませんがその隣の青い芝は実はハリボテだったり、真っ赤っかなレッドオーシャンだったりするかもしれないというのは頭の片隅に入れておいたほうが良いかもしれません。
ビジネスサバイバル力は自己資金ビジネス創業社長から学ぶべき
この1年弊社は人との出会いやご縁によって、大きく成長させて頂きました。
特に自己資金で始められたビジネス戦闘力が非常に高い経営者にたくさん会わせて頂き、大変多くのことを学びました。
仕事のとり方や、強気の価格設定、なんとか帳尻を合わせる能力、仕事を信頼の連鎖でゴリゴリとる方法、などこれまで生ぬるかった自分のビジネス戦闘力を大幅に向上させて頂けました。
私たちは資金調達を行ったスタートアップなので、最短で急成長して成果を出すことを求められます。
しかし、時には歯を食いしばって足元のキャッシュを稼がねばならないシーンがあり、泥臭くお金を稼ぐ方法はあまり学ぶ機会はありません。
スタートアップが泥臭くお金を稼いだりしていると「リビングデッド(生きる屍)」などと揶揄されることもあるそうですが、生き残って大きな成功が掴めるのであればなんでもやってやるのが経営者としての責任だと思います。
この1年、ビジネスサバイバル力を自己資金創業社長にピッタリ張り付いて学べたのは大きな財産となりました。
スタートアップの方がこの記事を読んでいたら、2021年は非調達企業の社長に会いに行ってみてください。本当に勉強になります。
最後に
2020年もなんとか生き残ることができホッとしていますが、2021年はさらなる飛躍を求められます。
すでにステークホルダーもたくさんいらっしゃいますし、プレッシャー半端なくて震えが止まりませんが身体と精神には特に気をつけて、来年も頑張っていこうと思います。
一緒に戦ってくれる仲間と、私たちに期待してお金を預けてくださっている投資家のみなさま、私たちのサービスを使ってくれているユーザー、取引先の皆様、日頃から支えてくれる友人たち。
本年も大変お世話になりました。
来年ももっと頑張るので、引き続きよろしくお願い致します。