勉強するとは具体的にどういうことで、何のためにするのか?

大学生向けにちょっとした講演をした際、「勉強する」というキーワードが連呼されていたのですが、あまりにもふわっとしていたので自分なりの考えをまとめてみようと筆を執ります。

  • 勉強するとは具体的にどういうことなのか。
  • 勉強とはなんのためにするのか。
  • なんで勉強するの?と子供に聞かれたらどう返すか。

など、思考をまとめておきます。

「勉強しろ」はあまりにも曖昧すぎる

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さて、なんだか小難しいテーマですが今回は勉強するということについて掘り下げます。

いろんなシーンで「勉強しろ」という言葉を聞きますが、具体的に何をすればいいのか考えたことはありますでしょうか?

  • 国語、数学、理科、社会、英語を学ぶこと?
  • 専門資格を取るために机に向かうこと?
  • 本を読み漁ること?

勉強するという行為は範囲が広すぎて、ふわっとしすぎているのです。

先生や親に勉強しろと言われても、うーん…一体何すれば…となることが結構あると思っており、具体的に勉強することを定義したいと思います。

勉強することとは、その目的は?

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曖昧に使われる「勉強」という言葉。

私は勉強とは以下のフローを経る行為だと考えています。

  1. 自分で問題や課題を発見、特定する
  2. それらを解決するために必要な知識を探す
  3. 知識を得るための具体的な行動目標を定める
  4. 問題や課題を解決するまで行動を行う
  5. 前提が間違っている場合や、志が変わった場合は①を見直す(以下ループ

つまり、

勉強とは自分で問題や課題を発見し、それらを解決するために必要な知識を修めて行動すること

だと定義できるのでは無いかと思っています。それぞれ詳しく説明します。

①自分で問題や課題を発見、特定する

目的、ゴールがないと勉強は成り立ちません。明確に何かを達成するために勉強しないと、何のために頑張っているのかわからない状態になってしまいます。

そのため勉強とはまず、問題や課題を発見、特定することが最初のステップです。

そもそもこの①ができていないため、勉強することが曖昧になったり、そもそも意味の無い勉強をしてしまったりするのです。

もっといえば、その問題や課題は具体的であればあるほどよいでしょう。

 

例を挙げると、

将来IT企業を経営したいと考えたとします。

その際の問題や課題は、

  • IT企業について知らない
  • 起業、経営について知らない
  • そもそもお金の稼ぎ方もわからない
  • 株って何?法律について知らない

などが上がってくるでしょう。この際、解像度は低くても全く問題ないです、そのために勉強をします。

自分の今の持ちうる知識だけで問題や課題をまずは設定しましょう。

②それらを解決するために必要な知識を探す

問題や課題を特定できたら、それらを解決するために必要な知識について調べましょう。

書籍を参考にするでもよし、ネットの情報を参考にするでもよし、自分の問題を解決するために必要な知識は何か。その情報を集めましょう。

 

上記の起業の例だと、ちゃんと調べると以下のようなキーワードや知識がヒットすると思います。

  • 会社経営のためには、「会社法」「ファイナンス」
  • 起業のためには、「ビジネスモデル」「成功・失敗事例」
  • IT企業を知るには、「上場しているIT企業」「上場企業のIR」

自分が課題や問題を解決するために必要な知識はどういったものなのか、ここで洗い出しましょう。

どうしてもわからなければ今はSNSが発達していますので、ちゃんと実績や信頼がありそうな人に貴重なお時間を頂戴して話を聞くのも良いですね。

③知識を得るための具体的な行動目標を定める

さて、ここでようやく勉強らしい学習がスタートです。

上述の知識を得るために机に向かったり、実際に手を動かしたりして学習を進めましょう。

ただし、ここで闇雲にやるのはおすすめしません。具体的な行動目標を定量的に決めるのが良いです。

例えば、

  • 毎日上場しているIT企業3社調べる
  • ビジネスモデルを1ヶ月で100個学ぶ
  • 1ヶ月で10人の経営者の話を聞く

知識を得るために、数字で目標を設定するとサボれないのでおすすめです。

勉強する際に、とにかくやる!!

とか言う方もたまにいますが、長続きしない方が大半だと思います。

現実的に達成できる数字目標を設定して、学習を進めましょう。

④問題や課題を解決するまで行動を行う

数字目標を定めたので、あとはひたすら行動です。やるだけです。

数字を決めているので、カレンダーやエクセル、SNSなどで自分の目標数値を管理して粛々と打ち込みましょう。

この時に、仲間やライバルがいると挫折しにくくなるのでもし巻き込めるのであれば巻き込みましょう。

⑤前提が間違っている場合や、志が変わった場合は①を見直す(以下ループ

①〜④が勉強の基本的な流れですが、

  • 問題や課題特定が違った
  • 環境が変わって勉強できなくなった
  • 志が変わって別の課題に取り組みたくなった

こういったことも良く起きます。人間なので仕方ないです。

その際は思い切って①からやり直す、ということも全く問題ないです。

むしろ、この①〜⑤のサイクルを猛烈にハイスピードで回している人が「勉強ができる人」「成長が早い人」なのだと私は思っています。

勉強の語源

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勉強って言葉の語源も気になったので調べました。

すると、もともとは「気がすすまないことを仕方なくする」というのがもともとの意味のようでした。なんちゅーネガティブな。

転じて、現在では勉強=学習という意味で使われているようですね。

勉強の語源・由来 勉強は「勉め強いる」と書くように、本来は気が進まないことを仕方なくする意味の言葉であった。

明治以降、知識を得るために努力することが美徳とされるようになったことから、「勉強」は「学習」とほぼ同じ意味で使われるようになり、一般的に「学習」を意味するようになった。

 

まあでも、結構この語源は正しいと思っていて、上述の勉強の定義を踏まえると、勉強って実はやりたいことのために「やりたくないことを粛々とやる過程」なので、「勉め強いる」ポイントも多く理にかなっています。

何のために勉強するの?と子供に聞かれたら自分ならどう答えるか

「パパ、何のために勉強するの?かったるいよ。」

もし小さめのお子さんにそう問われた時に、上述のフローを答えるのは少々酷なので自分ならどう答えるか。

その際の回答例も考えてみました。参考までに!

①将来の選択肢を増やすための大事な土台作り

勉強は将来の選択肢を増やすための大事な土台作りなんだ。◯◯は将来何になりたいか決まってるかな?

10年後、20年後何がやりたいかはわからないし、今あっても変わっているかもしれない。

警察官になりたいと言っていても、将来宇宙飛行士になりたくなるかもしれない。

そういったときのために勉強をしておくと、いろんな選択をできるようになるんだよ。

無理に勉強しろとはいわない、だけど勉強をしないと将来の選択肢は減っちゃうから後悔しないようにね。

勉強したよって証のために学歴はあるんだ。今はその意味も薄れてきているかもしれないけど、それでもその人が勉強したって証になるから持っておいても損はないよ。

②人類が積み上げてきた知識でチートになれるよ

今◯◯が勉強しているのは、これまでおじいちゃんおばあちゃんや偉い人たちがこれまで学んできた知識すべてなんだ。

これまでの人が発見してきたこと、人生を捧げて研究してきたすべての結晶なんだよ。

それをここまでまとめて教えてくれるってめっちゃお得じゃない?

ゲームで言えばいきなり高いレベルで人生を戦えるようになるのが勉強なんだよ。

目の前にそんなお宝があって知らないっていうのはもったいないなー。

 

こんな感じでかなり噛み砕いて説明すると思います。

ただ勉強しろ!とだけ言われても私自身モチベーションが上がらなかったので、上記のような選択肢の拡大や、機会損失的な訴求をされたら勉強したい!ってなります。

人間は好奇心の生き物なので、うまくそこを突けると自発的に勉強してくれる子になるのかなと思います。

最後にひとこと

今回は勉強について長々と書いてみました。

日本の教育では「自発的に勉強しようというスタイル」は身につかないと思っています。

というのも、日本の教育というのはあまりにも完成されすぎていて、カリキュラムもコントロールされているからです。

先生がいて、教科書や参考書も指定してもらって、予習復習宿題のペースも管理されて。

勉強するという行為が受け身で、自発的に行うものじゃないという認識が刷り込まれすぎているのかなと思っています。

 

どちらが良い、悪いという話を論じる気はないですが、世界は資本主義で競争社会で成果主義です。

成果を残すためには成長が不可避で、成長できる人というのは勉強ができる人です。

そこを踏まえて日々勉強を重ねてより良い人生を歩んでいきたいものです。

勉強するとは具体的にどういうことで、何のためにするのか?
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