起業しラウンドが進んでいくにつれて初心を忘れてしまってはならん!ということで自身が起業するに当たって失敗したなぁと思うことを赤裸々に綴っておこうと思います。
正直めっちゃ恥ずかしいです。基本中の基本みたいなところで躓いたところもあります、赤面ものです、穴があれば入りたい。
この記事が起業した人、登記中の人、起業家志望の人、起業を志す皆さんの糧となれば幸いです。
※会社はようやく1期を終えるところです。
失敗①日本政策金融公庫の調達で業者に相談した
まず弊社は序盤にデッドファイナンス調達(負債借り入れでの調達)を決定し、日本政策金融公庫の扉を叩くことにしました。
国の資金を入れるのは初めてだったため、勝手がわからずネットで調べまくっていたところ借入成功率が90%とかの実績を持つ日本政策金融公庫のプロ業者がたくさん出てきて、彼らにお願いすることにしました。
しかし、この選択は実はあんまり宜しくなく、成功率は高いものの成約単価が希望額よりずっと低かったり、手数料で結構お金を取られたりする散々なものでした。
税理士さんに相談すると
「ああ、ウチから紹介するよ。手数料?ああ、いらないいらない」
と、手数料無しの希望満額をすんなり通過できました。業者いらんやん…
税理士先生曰く、税理士の方が信頼度高い上、担当者とパイプを持ってることが多いのでまず税理士に相談しろと言われました。結果的に調達は成功しました。
ただし、業者に払った着手金は返って来なかったので、皆さんはまずは税理士さんに相談に行きましょう。
私の屍を越えていってください。
失敗②単一プランに依存しすぎた
詳細はNDAがあるので綴れないのでふわっとお伝えすると、何事もプランは複数持つべきだと痛感しました。
あたかも完璧に見えるプランでも、どれほど人に賞賛されるプランでも、何か1つが綻ぶと途端に全てが破滅の音を立てて崩れ去って行きます。
弊社は2度崖っぷちに立たされましたが、その内一度は単一プランに依存しすぎたためです。
プランを複数持つという表現よりも逃げ道をたくさん作っておくというのが近いでしょうか。
以前の私であれば即倒産レベルだった思うのですが、自身がエンジニアとして活動した人脈があったからこそ何とか生き延びることができました。
「いやいや、俺はそんなミスを犯さねーぜ!」
って思って読んでいる方ほど要注意です。私も複数プランを用意しつつ進めていたものの、トントン拍子に進んだ結果いつの間にか袋小路にいたのです。
その都度その都度に自身の立ち位置を考え、元いた分岐点に逐一戻れるか考えつつ石橋を叩いて渡るぐらいがちょうどいいのかと思います。
勢いだけではやはり死ぬときは死にます。
失敗③人を過剰に信用しすぎた
輝かしい経歴をもった人、肩書きがすごい人、有名会社の役員、などなど実際に会うとちょっと気持ち的に腰が引けますよね。
それは彼らの見てくれに気圧されるからです。人は事前情報や第一印象でその人の人となりを判断してしまうという困った特性を持っています。
我々起業家もたくさんの人と会う機会が多いので、この人すごいなーとか敵わないなーとか思うわけです。
しかし、そういう見てくれで人を安易に信用してはいけません。
私たちも経歴が頼もしく、話上手な俗にいう「すごい人」に散々振り回されました。
金銭的損失というよりも、時間的損失が甚だしく今でも憤りが半端ないですが、それを見抜けなかった私たちがあまちゃんだったというだけの話です。
資本主義ゲームにおいて、情弱は食われて終わりです。
以下の記事でも綴っていますが、大事なのは「信用」ではなく「信頼」の構築です。
https://nabewakashi.com/shinyou-shinrai
我々起業家は、「信頼」できる人間をいかに増やして、いかに見てくれの虚像に騙されず本質を見抜く目を養うか、そこに会社としての生死が左右されると思っています。
失敗④仲間へのリスペクトを怠った
起業で一番大切なものは何でしょうか。
お金?プロダクト?情報?オフィス?どれも正解ではなくて、答えは火の目を見るより明らか「一緒に戦ってくれる仲間」すなわち”人”なんですね。
ぶっちゃけ1人でもある程度は稼げます。フリーランス時代にもうまく立ち回れば月100万の稼ぎは到達できるステージでした。
でもそれではいつかは頭打ちで、どこかで限界がきます。
alone fast, far together.
一人では早いが、みんな一緒ならより遠くへ行けるという言葉がありますが、まさにこの通りでより大きなことを成し遂げようとするならば仲間が不可欠なのです。
弊社の状況が芳しくない時に仲間内のタスク量の差異に不満を感じ、メンバーに憤りを感じてぶつけた時がありました。明らかに仕事量に差があったので、彼の話をろくにも聞かず糾弾しました。
「彼を除いてやった方がいいんじゃないか」という思いが、ありましたがそれは愚かな考えだと後々気が付きました。
単純に適材適所ができておらず、彼が力を発揮できるポジションを用意できていなかった。
もちろん自発的に動かない彼にも非はありますが、スタートの特性上役割の切り分けが難しく、確固たる仕事領域を定義できていなかったのがよくなかったです。
よくよく考えれば、仲間と1つの目標に向かって本気で会社をやるというのは奇跡に近いわけです。
血も繋がっていない、思想も違うそんな仲間と同じ方向に向かって何かに取り組めるのはめちゃくちゃすごいことなんだと気が付きました。
皆さんも起業をすると絶対に仲間と喧嘩します。人は弱い生き物なので、自分が上手くいっていないと何かに当たり散らしたくなります。
でも、そうなった時に仲間へのリスペクトを忘れてはいけません。
まず疑うべきは仕組みや環境、そして自分自身です。
それでも、言いたいことがある場合には「お前の人格を否定するわけではないのは、前もっていっておく」と断りを入れた上で建設的な喧嘩をしましょう。
失敗⑤自分の殻に篭りすぎて病んだ
起業家はなかなか人に相談できないポジションにいます。
色々なプレイヤーの板挟みポジションに位置するため、常にストレスフルな悩みに晒されます。
加えて、この辛さを理解してもらう相手は同じ起業家であるか、半端ない理解度のある投資家さん、創業メンバーぐらいに限られてきます。
場合によっては色んな悩みの事象が重なりすぎて夜眠れないこともあったりします。
ですので悩みを解消できる趣味をもったり、アホなことで笑いあえる親友を持つなど、起業から一歩外に出てすっかり本業を忘れることができるコミュニティをもっておくことが不可欠だと思います。
メンタルを病むと、とにかくアイデアが出てこない。全てが停滞して、パフォーマンスが著しく落ちます。
自身のメンタルケアも起業の成功を左右する大事なファクターの1つです。
最後に
この起業備忘録は私が起業で失敗を犯すたびに更新されていくリストです。
コメント大歓迎です。