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奨学金が返せない?多額の奨学金を借りて大学に行く意味とは

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奨学金が返せない学生が増えている

日本学生支援機構(旧日本育英会)とは就学が困難な学生に対して、金銭を貸与してくれる事業を展開している組織です。

しかし、昨今はこの奨学金返済を巡って現場では様々な問題が起こっているそうです。

大学や大学院、専門学校生らの約四割が利用している日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金貸与事業で、返還が滞った利用者や親などに残額の一括返還を求める訴訟が激増している。機構が発足した二〇〇四年度の五十八件に対し、一二年度は百倍を超える六千百九十三件に上った。

東京新聞 2016年1月3日 朝刊より

上記はとある新聞記事の引用抜粋ですが、奨学金を借りたけれどもその返済ができない学生が増えているという事実を伝えています。

借りるお金の総額は膨大だとしても、返済額は月約2万円程度を返すだけなのでそれほど負担にはならないはずなのに2万円を返済するのにも困窮する状態にあるのでしょうか?

いずれにせよ奨学金を返済できない学生が増えているというのは由々しき事態です。

奨学金を借りてまで大学に行く

奨学金の貸与を受けるのは主に大学生ですがなぜ奨学金を借りてまで大学に進むのか、まずその理由について見ていきましょう。

1つ興味深い指標があります。

賃金構造基本統計調査の調べによると、高卒の平均年収は492万、一方大卒の平均年収は676万円となっており、学歴だけで約180万の差が出ることがわかります。

一方で、専門学校を卒業しても平均年収は500万程度となっているため、数値上で見れば大学の方が平均給与が高くなるというところに目をつけて大学に行く学生が多くなることはある程度予想されます。

また、生涯賃金ではとある統計によると大卒が2億5000万円、高卒が2億となっており、一件家が建ってしまうほど大きな差となるようです。

となると、多少無理をしてでも大学に通わせようとする親、通いたいと思う学生は多くなるわけで、奨学金を借りるという選択をする学生は増えるという構造になっているのですね。

生涯賃金で何事も図るべきではないですが、そこそこ大きな金額の開きになるので、投資だと思って学費の数百万を借りた方が将来的な利益が高く、お得だと判断するのは至極普通です。

では、一体どこで返済計画が狂ってしまうのでしょうか?

計画やキャッシュフロー のやりくりができていない

計画性がなかったり、キャッシュフローのやりくりができなかったりするというのは理由の一端としてあげられるでしょう。

上記についてもう少し説明するために具体例を挙げましょう。

大学生Aくんは地方から上京して大学に通う。

多少無理を押して大学に入学したため、家計はかなりきつい。

そのため日本学生支援機構から月に10万有利子で借り入れており、塾講師のバイトで月に10万円くらいの収入でなんとかやりくりしている。

なので、A君は学生時代において月収20万(実際は半分負債)ということになる。

家賃に5万、水道光熱費に1万、学費に8万程度収めたとしても残りの6万円は自由にやりくりできる。

しかし、実はA君は学費を親に出してもらっているので、14万円ほど手元にあることになる。

月に14万使えるのは新卒社会人よりも少しリッチな水準なので、その金銭感覚にA君は慣れてしまった。

そのまま社会人になった時にA君は月14万円使える生活に慣れていたため、給与20万円で家賃、水道光熱費、交際費、返済費で火の車になってしまった。

就職し社会に出た時の手取りは平均して15万から多くて20万程度と言われる中、そこから家賃、水槽光熱費、食費等を差し引いて生活します。

となると、かなり厳しい現実に直面することになりますが、いかんせん学生時代の金銭感覚が抜けきらずにお金を使ってしまう、そこに奨学金の返済がのしかかれば返せるものも返せない、という状況に陥るケースが多いのではないでしょうか。

借りているお金を負債を収入と錯誤してしまうということに慣れてしまい、キャッシュフローという感覚が欠落してしまうということです。

 

中学・高校と自分でろくにお金を持ったことがなかった学生が、大学でいきなり下宿や一人暮らしをしてやりくりすると必ずお金の壁にぶち当たってしまう。

計画的にお金を使ったり、貯蓄したりする能力が非常に乏しいため、本来であれば学生時代にしかるべき金銭感覚を身につける必要があったが、それが叶わなかったなれの果てが「返済できない奨学生」ということなのでしょうか。

不況による就職難やリストラ

2016年の就職は売り手市場と言われ状況は好転したようですが、就職氷河期に就職活動を行った学生は内定が出なかったり、2008年のリーマンショックでリストラにあった奨学金返済者は稼ぎ元を失い、結果返済能力を失うことも多かったりと散々な状況だったでしょう。

そういう意味ではこれから売り手市場が続けばある程度上京は改善されていくのかもしれないですが、奨学金を借りる側はいつ何時自分が職を失うかという想定をして動かなければ返済できないなんて事態にもなりかねないので気をつけたいところです。

見通しをしっかりと持つこと

経済の状況や、就職の状況を見極めるのはかなり難しいことです。

しかし、安易に周りの情報に流されて奨学金を借りてまで大学に行く価値はあるのか、自身でしっかりと熟考してから結論を出しても遅くはないのではないのでしょうか。

本当に数百万も借金して大学に行くことによって自分が望む人生を歩むことができるのかということをよくよく考えてみるといいかもしれません。

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