グループディスカッション通過率100%の学生が教える就活の極意~実践編~

前回の記事ではグループディスカッションに挑むに当たって、グループディスカッションにおける目的や背景、グループディスカッションでの立ち回り方など知識系のお話をしてきました。

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こちらの実践編では仮想就活生「Aさん」の具体的なシミュレーションを元にどのようにグループディスカッションを進めていけば良いのかをみていきます。

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グループディスカッション シミュレーション

Aさんは現在大学3年生の就活生。

就活が解禁になり志望する会社のES(エントリーシート)を提出しました。

2週間後、Aさんは見事ESとWEBテストを通過し、企業の1次面接への案内が届きました。

 

そんな1次面接の内容はグループディスカッション。

詳しいお題などは当日発表されるとのことなので、Aさんは何も知らないまま会場へと向かいました。

会場に入ると案内係の方に席に通され、着席すると目の前に5人の学生が座っていました。

グループディスカッションが始まる前に

Aさん「今日は自分を入れてこの6人でGDを進めていくことになりそうだ。」

さて、まずこの時点からGDは始まっていると言ってもいいかもしれません。

というのも、前もってグループディスカッションをするとわかっているのであればこれから議論するメンバーについて知っておくのは当たり前のことです。

軽く自己紹介等をして和やかな空気を作るアイスブレイクは非常に重要で、さらにお互いの性格を把握することにも繋がるため、円滑なグループディスカッションの進行を望むのであれば是非とも先に手を打っておきたいです。

その際にメンバーの性格から役割を前もって大体の見当をつけておきましょう。

就活では他大学の学生はライバルにしか見えなくて、あまり話しかける気にはなれないでしょう。それは他の学生も同じでなんとなくギスギスした空気が流れているものです。

しかし、予め空気をなごやかにしておけばかなり優位にグループディスカッションを進行できます。

また、企業によってはそういった何気ない時間の会話の姿勢も評価に入れている可能性もあります。是非積極的にコミュニケーションしましょう。

グループディスカッションの見せ場は限られている

5分程度グループメンバーで談笑していると、今回の面接官らしき人間が3人で入場してきました。

どうやら今日の面接は彼らが監督官のようです。

 

Aさん「会場全体で30人、6グループある中で、面接官は3人と少ないな。」

企業もリソースが限られているため、グループディスカッションに多くの人間を割くことは出来ません。

そのため、見せ場はかなり限らます。

面接官が見回りに来るときにしっかりとアピールできるようなGDの進め方が必要となります。

余裕があれば面接官の中で誰が決定権をもっているか、すなわち社員として立場が上かを確認しておきアピール対象を絞っておきたいところです。

名札を下げているので役職が確認できれば確認しておきましょう。

部長、マネージャー、等の肩書きがある方が狙い目!

グループディスカッション開始

皆が緊張の面持ちで構える中、いよいよグループディスカッションのお題が発表されました。

「W社の利益を2倍にする施策を50分で考えて挙げよ」

W社の事業内容や、既存の収益等に関する資料が配られました。ざっと目を通しましょう。

 

さて、お題が発表されたらまずは、タイムキーパーの役割だけ決定してしまいましょう。

時間は思っているよりもシビアなので、先に決めておくのが鉄則です。

 

タイムキーパーが決まれば、以下2つを決定します。

①チームが目指すべきゴールをまずは設定

前提条件のすり合わせ、ゴールへの到達方法

1つ1つみていきましょう。

 

チームが目指すべきゴールを設定

ゴールをしっかりと見据えないと議論が紆余曲折し、最終的な成果物もかなり質の低いモノとなります。

今回の例で言えば、

W社の利益を2倍にする施策を50分で考えて挙げよ

だから、最終的なゴールは

  • W社の利益を2倍にする施策を出すこと
  • 実際に利益が出来る限り2倍になっているか

この2つが求められます。

きっちりと確認しやすいように紙に書いておく。自然とこの辺りで「書記」の適任が決まるでしょう。

※この学生たちはちゃんとゴールに対して共通認識を持ってるなというアピールするが出来ます。

前提条件の擦り合わせ、ゴールへの到達方法

次に前提条件のすり合わせとゴールへの到達方法を議論しますが、ここで「タイムキーパー」という役割が重要になります。

タイムキーパーは議論の進め方を決める中できめ細やかに時間管理をする必要があります。

チームによって進め方はここで大きく差が出るところであると思いますが、私ならば下記のように進めます。

  • 利益を2倍にする期間の設定(日本国内の市場のみで考えるのか、何年で2倍にすれば良いのか、等):3分
  • 現状分析(現在のW社を取り巻く状況を大雑把に把握しておくことで、施策が出やすいようにする、等):5分
  • 既存の利益(売上−費用)を2倍にするためにどこに小手入れするか(売上を増やすために売り場面積を増やすとか、人件費を抑えてコストカットするのか、等。ここは複数存在小手入れしておいて後々吟味するのが吉。):10分
  • 小手入れのポイント(ボトルネックポイント)がわかれば具体的に対応施策を考えていく。「アイデアマン」の出番。:20分
  • まとめ等:5分
  • タイムロスのバッファ(猶予):10分

お題によってうまくいく、いかないというのがあるので、お題のジャンルを自分なりに分類してある程度テンプレートとしてもっていると良いかと思います。

今回のような「売り上げ何倍系」、日本の電信柱は何本?みたいな「数推定系(フェルミ推定)」、日本の死刑制度には賛成か反対かというような「2極論議論系」などグループディスカッションのお題を分類しておきます。

 

Aさんは意見をまとめるのが得意だったのと、事前にグループディスカッションの練習を重ねて慣れていたため、ファシリテーター役として上手く議論をまとめていきました。

誰かがだらだらと内容のない話をした場合はうまく「Bさんが言いたいことは〜ということだよね、ありがとう」と議論を円滑にし、意見の対立が起きた時は「折衷案にしよう、どちらも間違いではないから中間案をみんなで考えよう」と議論ゴールに向かうことを最優先にA君は立ち振る舞いました。

Aさんの班はチームのタイムキーパーもはじめに決めた時間をオーバーしないように時間を管理し、批判役の客観的な意見も取り入れながらアイデアマンの豊富な施策をブラッシュアップしていきました。

時々議論が行き詰まった時には書記が上手く議論を可視化しやすいようにまとめてくれているので、何不自由なく議論の過程をたどることができ滞ることがなく、グループディスカッションを進めていきました。

そして最後は結局上手く議論を論理的に説明できるプレゼンターがトリを飾って発表は終了しました。

お題とは違う結論になるのはOKか?

しかし、Aさんの最後の発表はお題に答える内容ではありませんでした。

Aさんの班は利益を1.7倍にしかできないと言う結論を出したのです。

 

これは失格ではないのでしょうか?

お題は「W社の利益を2倍にする施策を50分で考えて挙げよ」と2倍を要求していました。

 

しかし、このケースは失格になりません。むしろその回答が論理的に導き出されたものであるとするのであれば、むしろ高評価になりうるのです。

Aさんの班は企業のリソース等も考慮し実現可能性という点に重きをおいて議論を進めたのです。

丁寧にW社の現状を丁寧に把握し、市場の大きさも大体で概算した上で、市場拡大率や競合他者等の成長率を考慮して2倍は無理であると論理的に判断を下したのでした。

 

3日後、Aさんは見事グループディスカッションをクリアし、2次選考へと進むのでした。

 

グループディスカッションで最も重要なこと

さてもうお分かりでしょうか。

筆者の受けたグループディスカッションの一例をもとにシミレーションしてきましたが、グループディスカッションで忘れてはいけないことは「グループディスカッションはプロセスが重要視され、論理的に筋が通っているか」ということです。

皆が皆共通ゴールを持って議論を組み立てて、回答を導き出すことができればそれはグループディスカッションとしては成功なのです。

ちなみに実際に社会に出て売り上げ2倍のような目標を設定したりするが、現実には達成できないということが多いため現実的に達成できるラインの見極めができる能力も有効になってきます。

無謀な目標数値はむしろ社員のモチベーション、士気を低下させます。

グループディスカッションに挑む学生へのメッセージ

今回の例で挙げた進め方は某コンサル企業のグループディスカッションの一例です。

この例は限りなく綺麗なグループディスカッションですが、ここまで上手く進むことは実際は少ない上に、「GDクラッシャー」と呼ばれる、議論をめちゃくちゃに引っ掻き回す学生もたまにいるので柔軟性や適応力が求められる場面が多いです。

グループディスカッションはしっかり研究し練習している学生と、何も対策していない学生との間には圧倒的な差が生まれやすい選考過程です。

その場でなんとかなると思って追随している人間には決して発言のチャンスはおろか、ロクな役割すら回ってきません。

しっかりとグループディスカッションの目的を理解し、自分の立ち回りを理解して振る舞う学生はかなり強力です。

グループディスカッションに関しては様々な意見やアプローチがあるでしょう。

しかし、この記事を書いている人間はまだグループディスカッションで一度も落ちたことがない人間ですので、ある程度汎用性のあるスキルなのかと思います。

是非、グループディスカッションが苦手な方は参考にしてください。

グループディスカッションの裏話

テクニック的な話はここまでで、少しグループディスカッションの裏話を。

ぶっちゃけた話、企業側の頭の中には「こいつと一緒に働きたい、と思える奴を採用したい」

という気持ちが大きく、それに応えることが内定への近道だと個人的には思うところです。

 

結局面接官も人なのです。

 

技術的な面をこれまで云々と語ってきましたが、是非とも一番に心がけてほしい大事な大事なポイントです。

 

▼グループディスカッション知識編はコチラ!

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