大学2年生がビジネスコンテストから人材系で起業した話(前編)

学生起業家のリアル

私は大学2年次にいわゆる「学生起業」というものを経験した人間です。

起業と聞くと「なんか意識インフレしてそう」とか「大変そう」などという印象を持たれがちで、雰囲気で「なんとなく頑張っている奴」というレッテルを貼られることが多くあるのですが、ここでは私の経験をもとに学生起業のリアルについてお話ししようと思います。

少しでも起業を考えている方の参考になると幸いです。

起業の経緯

まずはどのようにして起業に至ったかの経緯をお話しできればなと。

少々長めになってしまうのでご容赦ください。

 

私の起業の経緯、というかきっかけはレクミーという就職活動のイベントでした。

大学2年生で就活?という疑問がここで湧くのですが、当時世間知らずだった私は就職活動に漠然とした不安を抱えており、このままではまずいから行動しよう!

と意識がハイパーインフレしていたんですね。

 

それも相まって、金髪のままスーツも着ずに友人と就職活動イベントに訪れたわけです、愚かですね。

当時の見た目はこんな感じ。

goldhair nabewakashi

完全に浮いてました。

 

立ち振る舞いもわかないし、ましてや企業の名前なんかわからない。

もう帰ろうかと友人と話していると、角の方にブースを出店していたベンチャー企業の社長に声をかけられました。

 

「なんで金髪なんだ、お前ら」

 

その一言がきっかけで起業に至ったと言っても過言ではありません。

大学2年生であること、就活に不安を感じたことをありのままに話すと大層気に入られて、2年生ながらそのベンチャー企業主催のビジネスコンテストに参加することとなりました。

この時に誘ってくださった社長さんの器量の深さに心底感動を覚えたのを今でも覚えています。

ビジネスコンテスト出場

それから数度の面接を経てたった9人の学生が選ばれました。

バイトの面接や受験の面接なんかは経験があったのですが、企業の人事さんや社長さんとの面接は本当に胃がよじきれそうなほど緊張しました。

ビジネスコンテストに出場できたのは奇跡と言っていいでしょう。

 

自己紹介を終えると、自分以外は皆3年生や院生であることを知って焦りを覚えました。

「年上と競うのか…大丈夫かな」という不安が頭をもたげてばかりいました。

 

スキルも経験も頭のキレもない、だったらプレゼンとファシリテーションは誰にも負けないようにやってやろうと無我夢中で駆け抜けました。

結果として優勝はできませんでいたが、それなりの評価をとフィードバックを得られて頑張ろうという刺激と、悔しさでそのビジコンを後にしました。

一通のメール

そのあと、ビジコン主催の企業から一通のメールが届きます。

「先日はご参加ありがとうございました。この度もう一度お話がしたく、ご連絡差し上げました。」と。

 

当時の私はアホだったのでこれが採用活動の一環のメールだとはつゆも思わず

「何かやらかしたかな」

「怒られるのかな」

とビクビクして再び会社を訪れることになりました。

 

通されたのは社長室。

役員っぽい人たちが座っているのを見て、なんだなんだと思っていると、

「起業してみないか?君」

 

と声をかけられました。

脳内は完全に「!?!?!?!?!?!?」状態。

 

実績もない、スキルもない、頭も悪い私を捕まえて起業?!

何を言っているんだこの人は。

 

その時はそう思ったのですが、冷静に考えてみるとビジネスコンテストにいた頭がキレる優秀な先輩たちと一緒に事業をやれるならそれも悪くないな、むしろチャンスだと思いそのオファーを快諾しました。

ここから私の起業がスタートしました。

選ばれたのは6人

選ばれたのはたったの6人で、東大、早稲田、慶応と上位レイヤー層の学生を集めてのスタートとなりました。

事業案も一から作るという形で何度も集まり、事業案の作成に時間を割きました。

 

頭からっぽな私はとにかく足を引っ張らないようにだけ注意して、わからない単語が飛び交えば逐一調べてインプットするし、必要なことがあればそれを手に入れようとしました。

 

1ヶ月間ブレインストーミングとリサーチを永遠に繰り返し、苦難の末に事業案が完成しました。ロジックを組んだりするのが超苦手だったので地獄の時間でした。

一言で言うと人材系の事業で、企業と学生を有給インターンシップという媒体でつなぐことを主目的とした事業を考案しました。

 

今でこそ学生が有給インターンシップに行くのは当たり前みたいな風潮がありますが、当時はまだまだインターンは主流でなくみんなバイトしている状態でした。

そこに目をつけてインターンシップを紹介すれば、企業も学生もみんなハッピーでは?という仮説を持って挑むことにしたわけです。

 

私たちが学生であることと、バックアップしてくれる企業のリソースをフルに使えるシナジーバリバリの事業形態をとったのですが、当時のアホな私にはこの環境の素晴らしさに気づけていなかった。

事業案が役員のGOサインを受けると、私たちは夢を語りながらワイワイと帰路に着いたのを覚えています。

起業の種類

学生が起業するには以下4つの方法があると思います。

①自分のお金で起業する

②親からお金をもらって起業する

③個人からお金をもらって起業する

④投資組織からお金をもらって起業する

私たちは④投資組織からお金をもらって、という条件での起業でした。

「学生VC」の代わりに「ベンチャー企業というVC」が私たちに資金を投げるという形態での起業です。

 

とにかくわからないことだらけだったので不安しかなかったですが企業からのバックアップがある分、資金面の不安が拭い去れていたのは唯一の救いでした。

人材事業スタート

目をキラキラさせながら人材事業がスタートしました。

やることは山積みでお互いの仕事の範疇や役割などの決定から、タスク管理のツールや問い合わせの対応など一からシステム作りから始まります。

お客様からの問い合わせ対応の動線から、営業資料の作成、名刺の作成、マッチングサイトの作成。

初めてやることにおぼつかないながらも気合いと成功してやるんだという気概で作業を進めます。

 

この時に思ったのは

「ああ、起業ってやっぱりこういう泥臭いところからしっかりやっていくものなんだなあ」と。

起業家ってどうしてもキラキラした壇上で、成功までのサクセスストーリーを語ることが多いから、あんまり泥臭いところ見えないけれど、やっぱり目に見えないところでしっかりやっていらっしゃったのだなと痛感しました。

結果的に準備に1ヶ月強要して、とにかく売り上げを上げないと話にならないので法人営業と学生営業の両方を推し進めていくことになりました。

 

後編は辛くて毎日辞めたいと思った営業時代の話を綴ります。

https://nabewakashi.com/start-business-in-univ-2

semminer at univ
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