なべわかし

なべわかしです。六本木ヒルズのとある企業に勤める、象使いです。

なぜ日本企業は新規学卒者を採用するのか考察してみた

time 2017/01/25

なぜ日本企業は新規学卒者を採用するのか考察してみた

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日本企業は新卒採用を重視する

日本の企業、特に大企業においては新規学卒者(4年制大学を修了した者を指す)を採用するという慣行が幅広く根付いていますが、なぜ日本企業は新規学卒者を採用するのでしょうか。

就業経験もなければ、これといったスキルを持ち合わせず即戦力とは言い難い学生に初任給20万円も払って雇う意味はどこにあるのか。

とても気になって夜も眠れなかったので関連書籍や文献を参考にして自分なりに考察してみました。

企業が人材を採用する理由

まずそもそも企業が人材を採用する理由について考えてみると、大きく分けて理由が2つあると考えられます。

1つは定年到達者や何らかの理由で退職した人材の補充

そしてもう1つは売上向上や事業拡大等に伴う人員の補充が挙げられます。

 

前者は自然の摂理といいますか、時は流れるべくして流れていくのでそれに従って人材も退職していきます。

定年まで勤め上げて退職する方、疾患等でやむなく退職する方、家庭の事情で退職する方様々ですが一定の割合で人材は企業から流出していきます。それを補うために採用を行います。

一方後者は、売上向上や事業を拡大することによって人材の需要が生じます。

労働集約的なビジネスモデルにおいては売上を拡大するために営業人員を増やすことが売上拡大につながるため採用を行います。

事業拡大においても新たに事業を設けるための人間が必要となるためにために採用を行います。

こうして整理してみると非常にシンプルですが、どちらの理由においても即戦力を採用するのが望ましいはずなのにそれでも新卒採用を行う理由がいまいち見えてきません。

そこで視点を変えて「企業の競争優位」「労働市場」という観点から見ていくことにします。

企業の競争優位とは人的資源

企業は市場競争を生き残るため、競争優位を獲得するためありとあらゆる努力をします。

自社のブランディングや知名度の向上、CSR(企業の社会的責任)活動を通じての社会貢献など様々です。

しかし、それらは結局企業に属する従業員の不断の努力によって生まれた付加価値に過ぎず、本当の企業の競争優位の源泉は自社が抱える人、すなわち「人的資源」こそが企業の核となるわけです。

企業の競争優位が人であるとするのであれば、企業は獲得した人材を企業文化に適応させ、労働生産性の高い人材に育て上げることが至上命題となります。

 

となるとここで企業が採用の際に重視すべきポイントは「人材の可塑性」であると言えます。

人材の可塑性というとちょっと意味を取りづらいと思うので噛み砕いてみると、可塑性というのは変化する性質というのを指し示す言葉であり、人材がいかにその企業にフィットしてバリューを発揮できるかということが「人材の可塑性」という言葉に含蓄されています。

もっと簡単に言うと、巷で言われる「素直さ」「従順さ」「飲み込みの早さ」などが該当するかと。

 

それに加えて可塑性に富んだ人材を採用した後、自社で訓練して人的投資を行うことを考えれば投資コストをより長い時間回収できる者の方が企業としては割に合うでしょう。

 

ここまでの事項を総合してみると、新規学卒者を採用する理由の1つがようやく見えてきました。

新規学卒者は就業経験もなく可塑性に富み、人的投資コストをより長いスパンで回収できる見込みがあるから採用される傾向にある、と結論付けられるでしょう。

一般的に言われている通りのことで、「素直で真面目に長く働く奴が採用される」というのはあながち嘘ではないということですね。

労働市場は企業内で作るしかない

さて次に労働市場に目を向けて考えていきますが、企業が人材を確保してくる場所についてまずは考察を与えていきます。

企業が人材を確保してくる場所は3つに大別できます。

企業内労働市場‥自社内の労働市場を指し、配置転換等を通じて人材を確保できる。

準企業内労働市場‥自社の関連企業やグループ企業から人材を確保できる。

外部労働市場‥自社以外の環境から人材を確保してくる。卑近な例で言うなれば転職サイト等。

 

①企業内労働市場②準企業内労働市場においては現場での人間関係や雇用者の成績等によって多少の壁はあれど人材を適材適所に配置するための人材確保は比較的容易であると考えられます。

というのも部署間の違いはあれど企業の文化にフィットし、ある程度要領を得ている人材を確保してくるだけなので配置転換に伴うコストのみで問題が解決します。

 

しかし問題は③で外部労働市場からの採用には大きな課題が2つ存在します。

1つは自社文化にフィッティングし競争優位となるような人材を外部市場から採用してくるのは非常に困難であること、そしてもう1つはまだまだ中途採用の市場が未整備であるということがあげられます。

前者に関しては一度就業経験のある人材の可塑性低いと予想されるため採用時点において人材を見極めるためにそれなりのコストを要することが考えられます。

また後者についても最近ようやく転職市場は整備されてきましたが、それでもまだまだ転職の市場から自社に見合う人材を採用してくるのは難しく、時間もコストも要してしまうわけです。

その一方で人材は毎年一定数流出していくので、企業としては一気に人材を同時期に採用して自社に合うように育成する方が効率がいいわけなのです。

したがって中途労働市場(外部労働市場)が未発達で調達が現状困難であり、一定数の労働力の確保のために新規学卒者を一括採用した方が割に合うために企業は新規学卒者を一括採用するのでしょう。

結論と総括

さて、日本企業が新規学卒者を採用する理由は何かという題であれこれ考察してきたが主に理由は2つであると結論づけられると思います。

新規学卒者は就業経験もなく可塑性に富み、人的投資コストをより長いスパンで回収できる見込みがあるから

中途労働市場(外部労働市場)が未発達で調達が現状困難であり、一定数の労働力の確保のために新規学卒者を一括採用した方が割に合うから

他にも要因はいろいろあると思いますが、大筋の理由はこれかと私は結論付けました。

こうしてちゃんと整理してみると「なるほど」と思わされる理由がきっちりあったのですね、興味深い。
参考文献:人的資源管理論 八代充史著

        

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