新型コロナウイルスへの対策として、政府から「1世帯につきマスクを2枚配布する」という発表があり、それが大炎上したのは皆さんご存知の通りかと思います。
「散々税金を納めた見返りがこれか!」
「諸外国は現金給付を行っているのになぜ日本だけマスクなんだ」
と非難や困惑の意見が飛び交っています。
ただ、感染予防のためにマスクを配布するというのは実際のところ有効なわけです。
では、なぜこれほどまでにこのマスク配布が大炎上してしまったのか。この記事では、この一件をマーケティングの側面から見て行きたいと思います。
※この記事ではマスクの有効性について論じるつもりはありません。あくまでもマスク配布という政策の打ち出し方に関していい方法あったんじゃないかな?というマーケティングに焦点を当てた記事です。
「政府のマスク2枚配布」は伝え方が悪い
さて、今回の政府の行ったマスクの政策。皆さんは具体的にどういう内容が実施されたか説明できますでしょうか。
マスク2枚配っただけでしょ?…という回答が聞こえてきました。
その通りなのですが、実はそれだけじゃないんですね。
- 月7億枚の供給を確保
- 医療機関には来週1500万枚
- 高齢者施設、障害者施設、小中学校にも順次支給
- 郵政の配布システムを使い、再利用可能な布マスクを2枚ずつ配布
と、世帯配布に加えて各施設にもマスクを配布しているんです。ご存知でしたか?
各世帯にマスク2枚だけなんてしょぼい政策ではなく、日本の全機関・全過程に感染予防に有効なマスクを届けるというのが今回の政策だったんです。
しかし、「1世帯にマスク2枚」という一部の政策だけが伝わってしまったがために、諸外国は現金配布なのに日本はマスクだけ?しょぼい!と大炎上に繋がったのです。
キャンペーンを打つときは大きな数字が有効
さて、今回の政策の全容がわかったところで、マーケティング的な話に少し踏み込みます。
以下の文章でどちらのキャンペーンにそそられます?(※どちらも期待値は同じとします)
- ハズレ無し!総額7億円プレゼントキャンペーン!
- お一人様300円が当たる!プレゼントキャンペーン!
多くの方はもちろん①に惹かれると思います。「7億円」という数字を見て「おお、大出血だな」とか「夢があるな」など一瞬期待が膨らんだかと思います。
つまち、キャンペーンを打つ時には大きな数字をどーんと出して、補足で説明を足すような見せ方が有効なのです。
なので、今回政府がメディアにプロモーションを依頼して
「月7億枚の布マスクの供給を確保、全世帯にマスク配布を実施」
とでも銘打っていれば、
「すげえ、日本本気じゃん」
「マスクなかったから助かるわ」
と少しでも1世帯たった2枚というしょぼい印象をいくばくか回避できたはずなのです。
今回の1件に関しては完全にマーケティングの失敗だと思います。
マスコミやメディアの伝え方にも悪意があった
さて、マーケティングの失敗などと政府を批判して終わりではなく、今回のマスク2枚という政策に批判を集中させた諸悪の根源が存在します。
一部マスコミやメディアですね。
政策の全容を伝えることなく、「マスク2枚」という言葉のみフィーチャーし記事のタイトルにし、政府批判を展開したこいつらにかなり非があります。
マスコミやメディアは、人の注目を集めれば集めるほどお金になるわけなので、衝撃的なタイトルを付けたいわけです。
であれば、マスク2枚配布=お粗末な政府の政策という批判記事を書けば国民の感情を刺激して注目を集めることができます。
正しい情報を正しく国民に伝えることが正しいはずなのに、なんともまあ歪んだ報道をしてるわけです。
- 月7億枚の供給を確保。
- 医療機関には来週1500万枚
- 高齢者施設、障害者施設、小中学校にも順次支給
- 郵政の配布システムを使い、再利用可能な布マスクを2枚ずつ配布
これがファクトにも関わらず最後の布マスク2枚、をフィーチャーしたんですね。
政府もこれからはタイトルをしっかり制御した方が良いですね…
その他にも同じようなご意見の良い記事があったのでご共有です。
https://note.com/yasusensho/n/n4a358954ccab
まとめ
政府の方々も各所の調整があり大変なのは察しますが、インターネットメディアやマスコミの発信の仕方やスポットの当て方一つが異なるだけで、立派な政策を打ち出しても支持率は下がる一方です。
今回のマスク騒動を受け、マーケティングにもこだわったほうが良いなと思ったのでした。